2013年12月11日水曜日

誰だってきっとそうさ

この間の日曜の朝、すごく辛くて苦しくて悲しい夢を見た。

思い出すたびに心も身体もどこかズキズキするから、そっと忘れてしまおうと思ったのだけれど
何日経っても忘れられなくて
でも日を追うごとに、感触や生々しさは確実に薄れてきていて

きっと、この夢から覚めた時の途方もない絶望感や、痛み、苦しみ、悲しみとか
泣きながら目覚めて、夢の余韻がとてもとても辛くて、今も思い出しながら泣きそうになっていることとか

もっと時間が経てば消えゆくかもしれないけれど、
だからこそ敢えてここに書き残しておこうと思った。
なので、書いてみる。

多少グロい。ので、そういうのが無理な人は、読まない方がよいかもしれないです。。



***


なんの変哲もない、ある日のこと。

その日私は
私の両親・婚約者との顔合わせを済ませて、世間話をしていた。

(婚約者が誰だったのかは、よくわからない。靄がかかったみたいにぼやけていたので、顔はハッキリわからなかった。)


うれしいことに
うちの両親と、これから私の夫になるその男性は、とても仲良くなって打ち解けたようで
楽しそうに談笑していて、私もにこにこ嬉しそうにしていたと思う。


そこから場面が一転する。


とても具合が悪くなった私は
吐き気が抑えられなくなって、婚約者と一緒に病院へ向かった。
頭はがんがんするし、口の中で異様な味がしている。苦いような、気持ちの悪い感覚。

検査を終えた私に、医師が告げる。


「舌の癌ですね。」


特に抑揚もなく、ニュースキャスターが原稿を読むかのような感じで、表情ひとつ変えずにその医師は言った。


この人は、何を言っているの?

「進行は進んでいますが、まだ転移はしていないと思います。命にはそこまで関わらないでしょう」

癌、がんって、言った?

「ただ、腫瘍のせいで舌が溶解する可能性があります。
まあ日常生活に多少支障は出るかも知れませんが、重篤な症状にはならないはずです。喋るのに影響が出るだけで」

喋るのには、話すのには影響が出るの?
私はもう歌えないの?

歌えないの?


「別にいいでしょう、歌えなくたって。なんなら喋れなくたって。

死ぬわけじゃないんだから」




そう言われた瞬間、私の舌が溶けて、真ん中に大きな穴がひとつ、空いた。
口の中に血だまりが出来て、膿みたいなものが溢れて、泣き叫ぶ私の隣に


さっきまで婚約者として、
隣にいたはずのあの人は

いただろうか?
手をつないでいてくれていただろうか?

隣にいてくれたとして、
彼は、どんな顔をしていただろうか?



***




ここで、目が覚めた。




何度も言うけれど、夢の中の話です。
でも、あまりにも辛くて、
痛くて、怖くて、苦しくて悲しくて
目が覚めた時に、泣いていて。


でね、

もし私が
この手に何も持たなくなって
むしろ、誰かの負担にしかならないような、そんな意味のない存在になってしまったとして

それでも
すべてを受け入れて、手をつないで、隣にいてくれる人なんて
果たして、いるんだろうか?
きっといないよ。
だって、圧倒的に孤独だから。



って、思ってね。

そして、誰だってきっとそうなんじゃないかと、思ったわけです。

誰もが皆、
何も持たなくなった自分が、圧倒的に孤独になること を
恐れているんじゃないかなあと。


なんか、よくわかんなくなっちゃったけど、
とにかく、そんな夢を見てしまった。



きっと冬で、12月で、冬だからだ。
一年で一番孤独を感じる日が、じわじわとそこまで迫っているからだ。

その日が私に齎す孤独感は、圧倒的で、抗えないもので
それは絶望に等しい程の、意味を持つ。


こんな孤独感と闘う毎日を、どうにかして言葉にして、音にして、吐き出して、かたちにしてゆく。
それが私の一生なのだと思う。

けれどね、

それは、誰かを傷つけるためにしていることじゃなくて
誰かを傷つけたいからしていることじゃなくて

そして私は、不幸だとかつらいと悲しいとか、そんなことを自ら望んでいるわけでも、まったくないんだよって

なんかわかんないけど、今ここに、書いておかなきゃいけない気がした。




あなたは、幸せになるべき人だよ
そろそろ幸せになってくださいよ
あなたが幸せになれないなんて嘘だよ
お前は幸せにならなきゃダメだよ

って
いろんな人が、いろんな言葉で言ってくれることが

とてもうれしくて、とてもかなしい。


一人で生きなきゃって何度も何度も思ったけど、やっぱり、無理だなあって思う。
そして人は、一人では幸せには、なれないから。


誰を信じるべきかとか
本当は言いたかったことばとか
本当は誰のことも信じられていないんじゃないか?とか
だけど愛したり愛せたり愛し合ったりとか、出来たらいいのになあ、とか
それって、認め合って受け容れあって許しあって想いやって、手をつないで、抱きしめあうってことだよなあ

とか

考えてたらまた、泣けてきた。





しあわせ、に、なりたいんだよ
本当は。
私だって。

あなただって。



誰だって、きっと、そうさ。

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